@article{oai:redcross.repo.nii.ac.jp:00007505, author = {大久保, 恒正 and 安藤, 寿博}, journal = {高山赤十字病院紀要}, month = {Dec}, note = {慢性疼痛に対する薬物療法として、特に神経障害性疼痛に対しては、これまで二環系、三環系、四環系抗うつ薬が鎮痛補助薬として治療に用いられて来たが、最近ではセルトラリン、ミルタザピン、デュロキセチン、エスシタロプラムなどの新しい抗うつ薬が臨床応用可能となっている。抗うつ薬の鎮痛機序に関しては、現時点ではその主たる機序はセロトニンやノルアドレナリンなどの再取込み阻害による下降性疼痛抑制系の賦活作用と考えられている。セロトニンは末梢では血小板に由来し、中枢では吻側延髄腹内側部に由来し、末梢の知覚神経、脊髄後角、下降性疼痛調節系など痛覚伝達系の局所において重要な役割を演じている。神経障害性疼痛に対する治療薬として、主なガイドラインでは三環系抗うつ薬に加え、SNRIのデュロキセチンも第一選択薬として推奨している。またSSRIのエスシタロプラムとパロキセチンは第三選択薬と位置付けられており、他のSSRIやNaSSAなどもそれぞれが有する特徴を把握しながら使用すれば、神経障害性疼痛以外の例えば心因性疼痛などに効果を発揮するかも知れない。歯科心身医学領域で取り扱う疾患は、舌痛症・顎関節症(心因性)・自己臭症の三大疾患を中心として、非定型顔面痛、口腔異常感症、歯科治療恐怖症、口腔内セネストパチーなど心身医学的疾患から精神医学的疾患までを網羅しており、その症例の多くは慢性疼痛の病因のひとつである心因性疼痛が少なくないといわれている。本稿では、神経障害性疼痛の治療薬として報告されている抗うつ薬の特徴と、その鎮痛作用における歴史的理論的背景を解説し、当科におけるエスシタロプラムとデュロキセチンの心因性疼痛症例への使用例を示した。}, pages = {17--22}, title = {口腔異常感症と下降性疼痛抑制系}, volume = {37}, year = {2013} }